爪水虫
最近では、男性だけの病気ではありません。
日本では、潜在的に足の水虫にかかっている人が、約20%いると推定されています。
足の水虫にかかっていても、かゆみや炎症症状などの自覚症状を伴わないことが多いため、治療せずに放置されるケースが多いようです。
水虫というと、以前は男性の病気みたいなイメージがありましたが、最近では女性の患者さんも増えています。
ブーツなどの密閉性が高くてむれやすい靴をはく人が増えたり、素足で靴やサンダルなどをはく女性が増えているのが原因のようです。
爪水虫の検査
爪水虫かどうか診断するためには、爪の患部に白癬菌がいることを確認することが必要です。
実際には、爪のにごった部分を削って、けんび鏡を使って調べます。
3から4分で終わる非常に簡単な検査です。
この検査で白癬菌がみつかると爪水虫と診断されます。
爪水虫以外にも、爪がぶあつくなったり、にごったりする病気があります。
そのため、自己判断せずに必ず当クリニック(皮膚科専門医)にかかって検査をうけるようにしましょう。
爪水虫の症状
爪水虫は、足の指の爪に多くできますが、手の指の爪にできることもあります。
最初に爪の先端が白色もしくは黄色ににごって、しだいに爪の根元の方へ色の変色が進みます。
そのうちに、爪がぶあつくなったり、もろくなったり、変形したりします。
通常かゆみは伴いませんが、放っておくと爪が欠けてくつをはく際に痛みを感じてしまう原因になります。
爪水虫の治療
爪水虫は、ぬり薬(抗真菌外用薬)と飲み薬(抗真菌内服薬)の両方で治します。
ぬり薬のみでは、薬効成分が爪の中にまで十分到達しないため、治りがよくありません。爪水虫をしっかり治すために、患部に着実に薬効成分が届く飲み薬を併用します。
飲み薬の飲み方には、大きく分けて2種類の方法があります。
① 毎日1錠ずつ3ヶ月から半年続けて服用する方法
②1週間集中してお薬を服用した後に3週間は服用をしないでお休みするということを3回繰り返す方法(パ ルス療法)です。
どちらの飲み薬もその薬効成分が爪に貯留しやすいので、服用を中止してからも爪の症状が改善して健康な爪に生えかわらせるという作用があ ります。
薬を飲み始めてから早い人で、3ヶ月ぐらいで健康な爪が根元から生えてきますし、遅くとも半年から1年程で健康な爪に生えかわります。
爪水虫を治療しない ままでいると、足の水虫や手の水虫が毎年再発する原因になるばかりでなく、家族やまわりの人にうつしてしまう危険性があります。