やけど(熱傷)・日焼け
やけどは受傷直後の処置が最も重要です!!
やけどは正式には熱傷といい、熱湯や油などの熱により皮膚の損傷が起こる病気です。
やけどの原因としては熱湯(やかん・鍋)が最も多く、暖房器具(ストーブ)、焚き火などもあります。
炎による熱傷は、熱湯に比べて熱傷が深く重症であることが多いです。
湯たんぽ・カイロなどによる低温熱傷も最近多くなっています。
やけど(熱傷)の症状
受傷部位に発赤、腫れ、水ぶくれ、痛みが現れます。
ピリピリとした痛みが初期の症状ですが、深い熱傷では神経も障害されるため痛みを感じない場合もあります。熱傷の深さによって1度、2度、3度の熱傷に分類されます。
- 1度熱傷
- :軽症タイプで、表皮のみが障害を受けて、皮膚がヒリヒリと痛み赤くなるだけで、水ぶく れにはなりません。通常は1週間以内には治ります。
- 2度熱傷
- :表皮の下の真皮にまで達する熱傷です。強い痛みがあり、熱傷受傷後に水ぶくれがで きます。浅い2度熱傷は2~3週間程度で治り、あとが残りません。深い2度熱傷は3 週間以上かかり、熱傷瘢痕になりあとが残ります。
- 3度熱傷
- :皮膚は神経まで障害されるため、むしろ痛みを感じません。皮膚表面は白色や黒色に なります。深い潰瘍となり、手術が必要になる場合もあります。
やけどの治療
やけどは受傷直後の処置が最も重要です。
水道水で約30分以上(痛みがある程度なくなるまで)冷却して下さい。
冷却によって,やけどをした場所の炎症,腫れを抑え、痛みを和らげることができます。
顔面は、タオルの上から氷嚢を当てるとよいです。
痕が残るかどうかは熱傷の深さと、受傷後からの処置方法により異なります。
当院では、なるべく痛みが少ない方法でかつ皮膚の自己治癒力を最大限に発揮できる治療法を一人一人に合わせて選択していきます。
日焼け(日光皮膚炎)
海水浴や晴れた日のスキーなど過度の日光照射のあとに起こる“日焼け”のことをいいます。
日焼けは紫外線、特にUVBを多量に浴びることで皮膚に炎症が起こることが原因です。
過度の日光を浴びると皮膚は軽い“やけど”の状態になります。
まず、皮膚が赤くなり、ひりひりとした痛みが出ます。
ひどくなると小さな水疱(すいほう)がたくさんできて、はれてきます。
こうなると痛みもさらに強くなります。
さらに日焼けが広範囲、全身に及ぶと、のどがかわくなど脱水症状を示します。
海水浴のあとの日焼け(日光皮膚炎)
日焼け(日光皮膚炎)の治療
まずは冷やします。冷やしたタオルや、ビニール袋に氷を入れタオルにつつんだものなどをあてます。
“日焼け”は軽いものなら軽い色素沈着を残して治ってしまいます。
痛みが強かったり、はれたときは、冷湿布が効果的です。
さらに炎症症状を抑えるためには副腎皮質ステロイド外用薬を使います。
痛みやはれが強いときは副腎皮質ステロイド薬の内服をすることもあります。いずれにせよ、症状の重いときは皮膚科専門医にご相談ください。
日光皮膚炎でもっとも大切なのは予防です。
日光を浴びすぎないように注意することがいちばんです。
日傘をさしたり、帽子、手袋の着用、あるいはサンスクリーン用品の使用を試みるのもよいことです。